2010年3月31日水曜日

eBayオークション戦略―究極のインターネット・ビジネスモデル

存在は知っていたが、これまで利用する機会もなく、何となくビジネスモデルを理解していた気になっていたeBayに関して、業務上詳細を理解する必要が生じて手にした書籍。
あらためて書籍を読み、オークションサイトの成功の要諦を誤って理解していたことに気づかされた。

自分のeBayに対する理解はファーストムーバーズアドバンテージによる成功としか理解していなかったが、創業者の的確な判断(プロのマネジメントを求める姿勢、設立当初の理念を貫く姿勢、利他の精神、コミュニティ運営への傾倒など)の元で、徹底的な顧客志向のサービスを提供し続けたことや、その上でコミュニティの維持・拡大を最重要課題としてとらえ、慎重に育てあげた点など本当の成功の要因を知ることができ、非常に学び多い書籍であった。

マーケットプレース型のビジネスモデルにおいて、購買者と出店者という2つの顧客が存在することがビジネスを複雑にするなかで、双方を購買行動のみならず、情報の点でもつなぎ関係性を深めるための仕組みとして相互評価があり、これを通じてコミュニティ生成がなされている点などシンプルだが非常に良くできたビジネスモデルだと関心させられる。
このあたりスタイルは異なるが日本における楽天の成功にも通ずる。

またamazonの事例として紹介されたロングテール戦略も、このeBayの実態をしるに、eBayこそがロングテール戦略の実現者であると個人的には思える。

またネットビジネスに対する理解が深まり、満足のいく読書ができた。


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■書籍データ
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eBayオークション戦略―究極のインターネット・ビジネスモデルeBayオークション戦略―究極のインターネット・ビジネスモデル
David Bunnell

ダイヤモンド社 2001-07
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2010年3月29日月曜日

電通「鬼十則」

過去に感銘を受け、ベンチャー時代に社訓にも取り入れようとした鬼十則に関する書籍だったので、なんとなく買ってみた・・・。

鬼十則自体は現代でも色あせぬ、深い洞察をもって書かれた言葉だとあらためて感じられた一方で、残念ながらひとつひとつを解説されている著者の主張には、個人的には偏見と独善的な見解が随所に感じられ、納得感が得られなかった。
例えば陽明学の「知行合一」を、私の理解している「知識をつけることは、行動することの始まりであり、行動することは、つけた知識を完成させることである。行なわなければ、知っているとは言えない。知って いても行なわないのは、まだ知らないのと同じである。知って、行なってこそ、本当の知恵、真知である」とは異なる理解をされており、「自分の頭で考え、自分の言葉で喋ろう」と解釈している点などかなりご自身の見解が入りすぎており、この1点を持っても筆者の主張をそのまま鵜呑みにできない。
さらに同じ章で大学にて筆者が体験した話が展開されているが、個々に至っては自らの主張とことなる行動を起しているなど、言行不一致がみられ、より信頼を失っている。

この本からの学びとしては、珠玉の明言は、自分なりに受け止め・考え・解釈し、自分の言葉で理解することが重要であり、他者の見解はあくまでも参考にすべしということであろうか。それにしても主張に一貫性がなく、納得感が少ない書籍であった。


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■書籍データ
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電通「鬼十則」 (PHP文庫)電通「鬼十則」 (PHP文庫)

PHP研究所 2006-09-02
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2010年3月26日金曜日

ウェブ時代をゆく

WEB進化論で多分なGoogleの神格化に対して、個人的には受入れ固い点もあるものの、基本的な論調や内容には共感できる点が多い梅田氏の見解を、1冊の書籍で判断するのはよろしくないと考え、あらためて手にした書籍。今回の内容は個人的な見解とも相容れる内容が多く、あらためての学びもあり良かった。

ネット時代における新しい生き方の提案として本書において、基本論調はネットにより情報の非対称性の解消により多くの知識習得は誰でもなしえるため、これまで以上にひとつの分野での精通(既知の情報を超えた理解力や新しい知を生む創造性などを持つことなど)するか、もしくはそれ以外の能力を駆使して、その世界で糧を得るかの2拓を今後は求められるようになることとしており、多少極端な印象は否めぬものの専門的な「知」そのものの価値が大きく低減しつつある事実を踏まえると、そう遠くない将来の姿として納得感がある。
まさに現在自分自身が法務関連の業務を担当できるのも、ネット時代の今だからであり、容易に判例や専門家の法律解釈や見解を得ることができるため、専門家でない私でも大半の判断ができる状況になっている。
加えて「学習の高速道路」という概念も端的にこの事実を表す言葉としてインパクトがあり、非常にわかりやすい。

また梅田氏の以下見解に関しては、100%賛同であり、自分がこの1年で改善させなければならない思考癖とあらためて痛感した。この点は今後の日々の行動でも強く意識していきたい。

 ・人をほめる (文中の共感を覚えた言葉を列挙)

  「人を褒める能力」とは、「ある対象の良いところを探す能力」

  単なる批判はよくない、建設的な言い方に直す

  ある対象の悪いところを探す能力を磨くのではなく、相手の良いところを見つける能力を磨く
  (そしてその良いところをほめる!!)

  ほめることはお世辞を言うことではない。なぜかわからないが自分とこの点は波長があう
  といった素直な気持ちを表現するだけいい。

ネットビジネスに関する本であったが、人間理解の基本的な考えかたに対する示唆も含まれた良著である。

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■書籍データ
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ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

筑摩書房 2007-11-06
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2010年3月23日火曜日

ハイブリッド・コミュニティ―情報と社会と関係をケータイする時代に

現実社会と情報社会が場所や時間を越えて複合した世界におけるコミュニティを「ハイブリッド・コミュニティ」として定義し、現実社会の変化も含めて紹介している点で興味深く読み進むことができた書籍。切り口の違いがこれまでのネット社会を紹介している書籍とことなり、個人的には斬新であった。

とくにコミュニティというモジュールを家族/地域社会/職場といった現実社会の単位ごとで考え、それぞれのリアル空間とネットの仮想空間とのつながりを検証したプロセスとそこからつむぎだされた
 家族コミュニティ:個族化、脱場所化
 地域社会コミュニティ:政治・行政的ルールから活動単位のモジュール化とそのつながりへと変化
 職場コミュニティ:個の最大化、知的生産活動
といったそれぞれの変化を表す言葉への納得感があり、頭のなかで構造化された点は良かった。

またこれらのネットからの大いなる影響を受けたコミュニティの要諦として、人のつながり・信頼感に言及している点も個人的な考えと一致しており、コミュニティを通じた情報収集・認識のこれからの変化を「信頼」という言葉で示している点も納得できる。梅田望夫氏のオプティミズムやここから得られる全てへの信頼といった内容とも符合し、ネット世界で個として価値創造できる存在になるためのひとつの普遍則が確認できたような気がする。




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■書籍データ
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ハイブリッド・コミュニティ―情報と社会と関係をケータイする時代にハイブリッド・コミュニティ―情報と社会と関係をケータイする時代に

日本経済評論社 2007-03
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2010年3月18日木曜日

NLP理論

かねてから興味を覚えていたNLPに関して、基本的な内容から理解したいと考え手にした書籍。ただ正直なところ期待はずれな内容であった。(残念ながら読んだ後、なにも印象に残らなかった・・・)

NLPの概要を網羅的に書かれているように思うが、根っこの「考え方」に関する掘り下げが浅く、単なるTips集としか認識できなかった。具体的な行動(これも表面的すぎて、この本だけで実行することはおそらく出来ないであろうが)は書かれているが、なぜそれをその結果を得たいために行うのかや、実行上のカンコツのようなものが無いため、ひとつひとつの話にどうしても懐疑的な感想を抱いてしまう。

やはり本質理解には、実際に研修を体験するしかないのであろうか?

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■書籍データ
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心の動きが手にとるようにわかるNLP理論 (アスカビジネス)

2010年3月16日火曜日

盛田昭夫・佐治敬三 本当はどこが凄いのか!!

10年程前に、当時の部下とのやり取りで最も尊敬する経営者の一人としてあげた盛田昭夫氏。
彼を間近で見ていた部下の視点で、どのような人物であったかをまとめた書籍を見つけ、久しぶりにワクワクしながら読破した。やはり彼は日本の宝である。

また同時に取り上げられている佐治敬三氏に関しても、これまであまり詳しく知らなかっただけにこちらも非常に興味深く読み進められた。

名経営者として1企業を文化レベルで認知される存在まで高めた両名だけに、そのスケール・考え方・生き方には共通する部分も多く、あらためて経営者にとって何が必要なのかを知る良い機会でもあった。教育事業者としてリーダー育成に携わるものとして、如何にして彼らのような経営者を数多く輩出できるか考え続ける上での大きなヒントを得たようにも感じている。

いくつもの点で学びはあるのだが、特に印象に残ったのは次の点

 ・「出るクイを求む」(盛田氏)と「出る杭は伸ばせ」(佐治氏)
  さらには「出る杭には水をやって育てる」

   自分なりの考え・生き方を持ち、周囲との摩擦も恐れずチャレンジする人材に
   目をかけ、とことん伸ばすといった人材活用の考え方は納得。
   自分もそのような上司になりうるか。杭を抜くような矮小な人物になるな!

 ・行動学習。二人そろって新しい物好きで、人から積極的に学ぼうとしている。

   書籍によって多くの知識を得ることも重要だが、人から学ぶべき点はより多い
   積極的に異業種との接触を持ち、貪欲に新しいことにチャレンジする姿勢は
   持ち続けたい。日々学習、日々成長。

 ・国際人。日経ユダヤ人と自らを呼ぶ盛田氏、海外の競合商品も積極的に取り込み
  フェアな姿勢を通じて国際信用力を高めた佐治氏。スタイルは違えども世界を
  見据えた動き方が自然と出来ている。

   最近ここは特に意識することが多い部分。言葉や異文化理解も重要だが、
   より本質的なところで「同じ人間」であることへの深い理解があると考えている。
   その意味で両氏は自然とその立ち位置で諸外国の人と接することが出来ており
   まさに国際人である。
   その一方でしっかり日本文化を発信する役割も意識している点がすばらしい。

あらためて名経営者からは学ぶべきことが多い。
引き続き読み・実践することを続けよう。

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■書籍データ
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盛田昭夫・佐治敬三 本当はどこが凄いのか!!―これまで未公開の新事実で迫る偉大な起業家の実像と遺訓盛田昭夫・佐治敬三 本当はどこが凄いのか!!―これまで未公開の新事実で迫る偉大な起業家の実像と遺訓

三推社 2000-11
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2010年3月13日土曜日

ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな

最近、業務で英語のケースを数冊読む事に追われており、読書をさぼり気味だった。
そこですこし易しめの本を軽く読もうと、まえから書籍は購入していたが、なかなか読む気がおきなかったこの本をてにしてみた。

著者の「ザ・ゴール」以降のシリーズはいくつか読んできたが、正直今回はそれほどの感銘はうけず、新たな学びや気づきはなかった。書かれている内容への共感はあるが、いずれもすでに他の書籍や人との出会いで知っていたことでもあり、自分のなかでも確信も持っていた内容ばかりであった。

 「人はもともと善良である」
 「すべての対立は解消できる」
 「ものごとは、そもそもシンプルえある」
 「どんな状況でも飛躍的に改善できる」
 「すべての人は、充実した人生を過ごすことができる」

言葉を書き出してみると、それぞれは納得感の高い言葉だが、この説明に利用される事例が中途半端な事実ベースであり、腹落ち感が薄い。またシリーズを読んでいない人物には理解しずらい内容も多く、この点も評価できない。これまでが比較的良書が多かったシリーズだけに、残念でもある。

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■書籍データ
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ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな!ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな!
岸良 裕司

ダイヤモンド社 2008-11-08
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2010年3月8日月曜日

楽天の研究

仕事で楽天に関する情報を集めていたので、その一環で読んだ書籍。
この本を読みながら1997年頃にWeb製作会社の統括責任者をしていたときに、ある広告代理店と組んでショッピングモールを構築していたことなどが思い出される。(このときすでに楽天は存在していたが、かなりチープなサイトで、購買までのプロセスが細かく作業工程が多かったと記憶している。それをベンチマークとしてより簡便に購入できる仕組みを考えたことを思い出した。)

改めて理解したが、ネット企業といいながらも楽天が行ってきたことはビジネスの基本であり、その徹底度が他社と違うことが成功の要因だと思う。
具体的には、
 ・ネットモールビジネス専業であった。
  (片手間に事業展開した会社は多かったが、専業は楽天のみ?)
 ・どぶ板営業を通じて1社1社顧客を獲得している。
 ・契約した顧客にたいして、顧客側の販売増につながる施策や支援活動を
  徹底してやり抜いている。
 ・顧客側で簡便かつ自由に設計できる仕組みをいち早く開発している
 ・ビジョンオリエンテッドな経営者が高いコミットメントで組織を率い
  自らが率先して結果を出している。
などで、これらはネットビジネスだからというわけではなく、どのような業界でも成功企業においては自然となされていることではないかと考える。加えて楽天ならではなのは
 ・IPO直前からM&A戦略実現のためのプロフェッショナルを経営陣に引き込む
 ・自前でM&A戦略を立案・実行できる組織を構築している
 ・M&Aにおいてもネットモールを中心にシナジーを考えた展開を徹底している
といったさらなる成長戦略を描き、実現していることもあげられる。

これらの事実を時系列で整理したうえで、ボードメンバーのフォーカスインタビューを通じてどのような「人」がこれをなしえたのが理解できるという点でこの書籍は学びが多い。
最も楽天のことをここまで知りたいと思わない人からすると、面白みにかける書籍かもしれないが・・・。

私自身にとっては短時間で同社の理解が深まったので、満足できる読書だった。

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■書籍データ
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楽天の研究―なぜ彼らは勝ち続けるのか楽天の研究―なぜ彼らは勝ち続けるのか

毎日新聞社 2004-12
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2010年3月6日土曜日

これから何が起こるのか

田坂さんの講演を拝聴したかのように感じられる書籍。
この本でも田坂さんの深い洞察とすぐれた先見性、そして文体から伝わる謙虚で真摯な人柄を強く感じることができ、感銘を覚えた。

現在意図してWEBに関する書籍を読んでいるが、その中でもこの本はBest!!(ただ、正直タイトルからはここまでWEBの世界を中心に書かれているとは想像できなかったが・・・)
WEB2.0が浸透した後の世界が、わかりやすく論理的に描かれており、自分の中にあったもやもやが整理された感がある。個人的にこれまでの断片的な知識が整理され、学びが深いと感じた点は以下のような内容。


■ネットの登場により初期に起こった3つの革命
 1)情報バリアフリー革命
   誰もが簡単に情報を入手することできるようになり、情報格差がなくなる
 2)草の根メディア革命
   誰もがメッセージを発することが可能になり、個の情報発信力が増し、
   社会に影響を及ぼす
 3)ナレッジ共有革命
   高度な専門知識すら草の根ユーザーにより共有され、
   スペシャリストの地位が相対的に下がる

■WEB2.0による革命の進化
 1)衆知創発
   草の根の人々により多くの知が発せられ衆知の集結が起こる。
   そしてこの集合知活用の重要度が増し、専門家の価値低下が進む。
   (※個人的には衆知が衆愚とならないとの説に違和感を覚えるが、
     事実活用できる衆知(例:wikipedia) の存在などから、
     このような状況になる可能性は十部あると個人的には理解した)
 2)主客融合
   生産者優位のこれまでから顧客優位へ、そして生産者と顧客の融合が進む
 3)感性共有
   ブログ・Twitterなど個人による情報発信が頻繁に行われ、
   複数の個の情報が、受け手の共感を得るケースが増える。
   このことから草の根メディアとして新たなメディアが誕生する。
   マスメディアから草の根メディアへとメディアの進化が加速する

またこれらの進んだ後の世界における重要な能力として「細やかさ」「心配り」といった『おもてなし』の力があると説き、これが最も優れた国民である日本がこれらの世界を牽引する力があるとの説には、勇気付けられる。この説には現時点で賛同しきれていないものの、少なくとも日本という固有の文明において培われ確率された「おもてなし」の心がネットの世界を通じて世界的に広がる可能性があるとすれば、非常に心躍る話であり、1個人としてこれを実現する担い手として何がなせるか、真剣に考えてみたい。

非常に学びが多く、考えさせられる書籍であった。

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■書籍データ
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これから何が起こるのかこれから何が起こるのか

PHP研究所 2006-11-23
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2010年3月4日木曜日

疾駆する夢

戦後の自動車産業黎明期の混乱から成長への奇跡を追体験することができるような書籍。混沌としながらも圧倒的な熱量をもって流れていった時代を感じることができ、2002年に上海で仕事をしていたときに垣間見た中国の様子ともオーバーラップする。

経営者としての悩み、後悔、信念などリアリティもあり、リーダー教育にも活用可能かなと感じてもいる。(最もページ数が745もあり、題材としてはToo muchだが)

ただ残念なのは最後の展開。社長解任から代表復帰へ、そして復帰後の会社再生といった山場の部分が割愛されており、消化不良感が強く残っている。特に会社再建のプロセスはいくつものエピソードが描けるだけに、読み進めるなかで期待感が高まっている部分であった。全く触れられていないのは大いに不満がつのった。
おそらくは雑誌連載の影響だとは思うが、中盤までのストーリが濃密に書かれていただけに、この終わり方は非常に残念である。

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■書籍データ
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疾駆する夢疾駆する夢

小学館 2002-10
売り上げランキング : 448095
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2010年3月2日火曜日

ビジョナリーカンパニー 【特別編】

名著「ビジョナリーカンパニー2」の社会セクター(公共機関)版とのことで、期待を旨に呼んでみた。

そもそもビジョナリーカンパニー2を読んでいる前提で書かれた書籍だけに(筆者はかならずしも読まなくてもOKとしているが)、この本から読み始めると表面的な理解しか得られない。まずはビジョナリーカンパニー1&2を読んでから、この本を手にすることをお奨めします。

で内容だが、まだ調査途中とは言うものの、基本的な概念は納得感があり、考え方全般には共感が持てる。

組織の存在意義が営利目的から他の何かにかわるのが社会セクターであるとすれば、当然求められるアウトプットが異なり、これをベンチマークする手段・考えが変わる。この点さえしっかり押さえておけば、ビジョナリーカンパニー2で提示された基本概念がほぼ適用できる点が今後多くのファクトにより証明されることを期待したい。
あらためて「人」がつくる組織である以上、どのような目的をもった組織であっても、成功要因は全て同じであることは感慨深い。

 1)偉大さの定義
 2)第5水準のリーダーシップ
 3)最初に人を選ぶ(誰をバスに乗せる)
 4)ハリネズミの概念
 5)弾み車を回す

この5つは偉大な組織を見極めるうえで最重要要素として、今後も活用していこう。

自社もこの観点で振り返ると何ができていて、何ができていないのかが一目瞭然。すこしづつでも弾み車が回るように、愚直に努力すべし!!



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■書籍データ
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ビジョナリーカンパニー【特別編】ビジョナリーカンパニー【特別編】
山岡洋一

日経BP社 2006-06-22
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2010年3月1日月曜日

SNSマーケティング入門

これも仕事関連で知識習得のために手にした書籍

豊富な事例を元に、SNSを活用したマーケティングとは何かを具体的に理解できるので、入門書としてはわかりやすい。
一方である程度の知識インプットを経た私自身にとっては、学びはあまりなかったというのが正直な感想。

また個人的には筆者の「これからはSNSがマーケティングの主役となる」との主張に関しては懐疑的で、ネット広告の拡大は確実視できるものの、その主流はアドワーズ等の検索連動であり、SNSは傍流でしかないと個人的には考えている。

実際に掲載されている事例の多くがすでに閉鎖されている事実や、日本のSNS大手三社の売上構成が
  広告費 < 直接課金 
である点などからも、マーケティングの主役とは言いがたいことが証明されてしまっている。
バズマーケティングは購買欲求に訴求する力はあるが、影響範囲の点では、どうしてもコミュニティ内に閉じる傾向が強いので、その点を考えると、マスマーケティングには不向きというのが自分の考えだが、これが今後どのように変わるのか(もしくは変わらないのか)、しばらくSNSに注目してウォッチして行こうと思う。


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■書籍データ
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SNSマーケティング入門 上客を育てる23の方法SNSマーケティング入門 上客を育てる23の方法

インプレスR&D 2006-09-23
売り上げランキング : 41363
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