2010年5月28日金曜日

孤愁ノ春ー居眠り磐音江戸双紙(33)

娯楽本として好んで読んできた佐伯氏の本シリーズで、前作の大きな転機を受けた後の新展開がどうなるか、期待と不安を覚えつつ手にした最新刊。
正直なところ残念な内容であった。

春風駘蕩とした雰囲気と、痛快なストリー展開で、さわやかな読後感が得られる書籍だったのだが、ここ最近はさすがに長く続きすぎたシリーズの宿命か、停滞感ただようダラダラとしたストーリー展開で、気持ちよく読み進めることができなかった。

そろそろ買うのをやめようかと、真剣に考えた1冊となった。

何事も、やめ時も重要である。

(加えて、5月に入って読書ペースが極端に落ちてしまったこともあり
 気分はブルー。6月に向けて気持ちを入れ替えねば)


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■書籍データ
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孤愁ノ春ー居眠り磐音江戸双紙(33) (双葉文庫)孤愁ノ春ー居眠り磐音江戸双紙(33) (双葉文庫)

双葉社 2010-05-13
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2010年5月20日木曜日

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する

積んどくシリーズの2冊目。これも買いながら読んでいなかった本。
(自分の癖なのか、ベストセラー本はすぐに読もうとしない傾向がある・・・
 そのくせ、ネットなどでどんな内容なのか調べてしまうので変な理解が
 できあがってしまう。)

言葉としての斬新さ(レッドオーシャンとブルーオーシャン)に比べ
内容に関しては、それほどの目新しさを感じるものはなく、
個人的な感想はわかりやすいマーケティング本である。

ただ戦略キャンパスに関する説明は素晴らしく、ここだけでも買う価値はあったと
感じている。最も実際に使いこなすとなると、横軸をどう設定するかが難しく、
他のフレームワークに比べると利用は難しく、習熟が必要。
個人的には他のフレームワークで大枠をとらえたうえで、競争優位性を導く際に
この考え方を使ってみようかと考えている。

またティッピングポイントリーダーシップの考え方に関しても、自分の理解と
合致する部分が多く、共感が持てる。
変革を導くにあたり、チェンジエージェントとして適切な人物を選び、
ここをまず変えよという考え方は、自分自身もその通りと考えている。
その点、NYPDの事例と含め、理解が深まったことも学びであった。

後半、やや冗長な部分もあるものの、全体を通じてわかりやすい良著であった。



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■書籍データ
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ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)
有賀 裕子

ランダムハウス講談社 2005-06-21
売り上げランキング : 870
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2010年5月17日月曜日

ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略

GWが明けて、気の緩みもあり読書ペースが落ちていた。
今一度気を引き締めるべく、手にしたがのこのロングテール。

前々から「積んどく」状態だった書籍で、いつか読まねばと考えていただけに
このタイミングで読んでおこうと、一気に読破した。
結果、あらたな学びもある一方で、やはり書籍にも旬があることを痛感。
自分なりにいろいろな書籍や事例を知ることで、概念化してた内容が
わかりやすく事例とあわせてまとめられていただけに、早くにこの本を読んでいれば、
無駄な読書をすることなく、この手の考えを理解することができた・・・

デジタルの世界では、管理・流通コストを極小化できることにより、
これまでの常識であったパレート法則が必ずしも適用されず、
大衆市場<無数のニッチ市場といった状態すら実現できるといった内容で
これまで「ロングテール」という概念を理解していたが、
この状態を作るための必要条件や、顧客主導で形成される市場になることの
これまでとの違いにも思考を広げることができ、あらためて正しい理解が
できことが、この読書による効能。非常に学びが多かった。

この本を読み、あらためて個が自由に情報発信できるネットにおいて、
情報の非対称性が解消され、消費者側優位な情報流通が進むことにより、
正しくかつ速やかに情報が見つけることができる仕組みの重要性を痛感した。
(無数のニッチ市場がなりたつためには、情報収集の仕組みが重要との理解から)
その点でここを押さえたグーグルの凄みを、痛感する。

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■書籍データ
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ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略
Chris Anderson

早川書房 2006-09
売り上げランキング : 43601
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2010年5月9日日曜日

ドリルを売るには穴を売れ

マーケティングの基本を、わかりやすいストーリー仕立てでまとめており、
入門書として非常に良い本。初めてマーケティングを学ぶ人に対して
積極的に進めようとの考えすら持てる。

またタイトルも「ドリルを売るには穴を売れ」と、顧客が求めている価値が
本質的になんであるかをわかりやすい表現で語っており、ここもGood!!

全体の内容もシンプルかつ重要なポイントに絞っており、
最低限理解しておくべき内容を

 1.ベネフィット
    顧客にとっての価値

 2.セグメンテーションとターゲティング
    顧客を分けて絞る

 3.差別化
    競合よりも高い価値を提供する

 4.4P
    価値を実現するための製品・価格・販路・広告

としている点も共感できる。特に1のベネフィットから並べている点が
個人的な理解ともあわさり、納得感が高い。

ただ、すでにある程度マーケティングについて学んでいる方にとっては
物足りない内容であり、その点で私自身もあらたな学びはなかった。
(単純に書籍選択を間違っただけ・・・。でも他人に進められる良い本に
 ふれれたと考えると、あながち間違いではないか。)

いずれにしても、シンプルかつ分かりやすくまとめられている良書。

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■書籍データ
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ドリルを売るには穴を売れドリルを売るには穴を売れ
佐藤 義典

青春出版社 2006-12-23
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2010年5月7日金曜日

ペンだけで30日後に行列をつくるすごい裏ワザ

タイトルに興味を覚え読んだ書籍。
平易な表現と例で、わかりやすくマーケティングの基本や
GAP分析を通じた具体行動モデルの実例がまとめられており、
初心者向けの書籍。

個人的には内容に関しては、わかりやすく整理されているものの
あらたな気付き・学びはほとんどなく、少々期待はずれな感想。

一方で手書きの手紙の効果性(定性コメントのみなので、効果の範囲と
手間との関係性などが評価できず、詳細は不明)に納得感があったことと、
多くの個人商店における実情を垣間見ることができたことは良かった。

でも少なくとも自分に興味をいだかせた「タイトル」はGood
このあたりの言語選定能力は自分も身につけたいところ。


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■書籍データ
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ペンだけで30日後に行列をつくるすごい裏ワザペンだけで30日後に行列をつくるすごい裏ワザ

インデックス・コミュニケーションズ 2007-08-22
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2010年5月5日水曜日

道元「禅」の言葉

禅の入門書として、そして講師を行う際の言葉のネタを集める意図で購入した書籍。
その意味で前者としての期待は裏切られたものの、心に響くメッセージに触れることができ
個人的には満足のいく書籍であった。

この書籍の興味深い点は道元の言葉ではなく、筆者の解釈を中心に解説がなされている点。
従い道元というよりは筆者である堺野氏の言葉が100語紹介されているといった体裁である。
この仕立ては人により賛否が分かれるところだが、私にとっては言葉は感じるものではなく
理解するためのツールとの前提があることから、平易で分かりやすい現代語として表現された
筆者の解釈とあわせて、道元の言葉を読むことは素直に楽しく、学び多い読書であった。

ただ一読しただけでは、その言葉の意を正しく理解できるものではなく、
何度も読み返し、自分化(自分の言葉で語る)しないと意味がないと感じている。
引き続き、時折読み返し、自分なりの解釈を持ちえるまでこの本とは付き合ってみたい。

なお特に個人的に感銘を受けたのは

 学知にあらず

という言葉。教育者のはしくれとして学知を否定するものではないが、他者からの学び
だけで学習が終わることなく、自らができるようになることも意識した教育を目指したい
との思いとも合致する言葉であり、深く響く。
生知をも意識した教育を実現すべく、まずは自己鍛錬(知識収集と克己心の修練)を
愚直に続けよう。

言葉は言霊

多くを語らずとも心に響く言葉は確実にあり、それを自らも発せられる人物に
なることがどうやら終生の目標になりつつある。

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■書籍データ
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道元「禅」の言葉―ゆっくり読む、ゆっくり生きる (知的生きかた文庫)道元「禅」の言葉―ゆっくり読む、ゆっくり生きる (知的生きかた文庫)

三笠書房 2008-11-20
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