2010年9月24日金曜日

尾張ノ夏ー居眠り磐音江戸双紙(34)

師匠であり義理の父でもある佐々木玲圓の死にてクライマックスを迎えた
重たい雰囲気から、どれだけ以前のような春風駘蕩たる磐音像に
戻っているかに期待を抱きながら手にした書籍。
(前回がその点では大きく期待外れであったので、、、)

このシリーズの良さは、個人的には圧倒的な読後感のさわやかさにあり
それが今回からまた戻ってきていることは、素直にうれしく思う。

ただ全体的に物語に冗長感が強く、人気シリーズの宿命である
継続への期待感が作品の質を落としていることが残念でならない。

そろそろこのシリーズからは卒業かな・・・

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■書籍データ
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尾張ノ夏ー居眠り磐音江戸双紙(34) (双葉文庫)尾張ノ夏ー居眠り磐音江戸双紙(34) (双葉文庫)
佐伯 泰英 サエキ ヤスヒデ

双葉社 2010-09-16
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2010年9月15日水曜日

マーケティング22の法則

10年以上も前に読んだ本だが、マーケティング関係の講師をやることとなり
今一度基本から見直すべく読み直してみた。

ここに書かれている法則は時代が変わっても色あせない基本原則であると
あらためて痛感。良書である。

当時も強く感じていたことだが、「1番手の法則」といった分かりやすい内容と
それを示す具体事例の列挙で、非常に分かりやすく納得感をもって内容が理解できる。

個人的には、
 ・1番手の法則+カテゴリーの法則
   自社が1番になれるカテゴリーを見出し、必ず1番になる。

 ・心の法則+知覚の法則
   市場に最初に入るのではなく、顧客心理に最初に入るべき。
   またマーケティングとは商品ではなく、顧客の知覚の戦いである。

の2点への納得感が高い。

永久保存版として引き続き読み直したい。

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■書籍データ
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売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則
アル ライズ ジャック トラウト Al Ries

東急エージェンシー出版部 1994-01
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2010年9月10日金曜日

フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる心理学

コミュニケーションに関する講義をする中で、心理学への興味が深まり
また手にした書籍。

これまでに読んだ書籍とは異なり、理論のみでなく実験を通じた検証プロセスをおいた
実験心理学を中心とした内容であることが、理系の自分にとって納得感が得られ
示される内容に対する信頼感をもてた数少ない書籍である。
(フロイトやユングを否定するものではないが、その理論を検証している例がすくなく
 神話的要素を感じざるを得ないことが多かっただけに、納得できないことが多かった。)

個人的な学びとしては

 ・自己肯定感を高めるには他人を思いやり、励まし、貢献しようとすること
 ・集団サイズが大きくなると人は手抜きする。だからターゲティングが効果的
  (対象を絞ることで、対象にはいる人の注意喚起ができる!!)
 ・記憶はうそをつく。
 ・信じればかなう。ピグマリオン効果が人の潜在能力を最大化する。
 ・「ブロークン・ウィンドウズ現象」
  小さな悪を放置するとさらなる悪が発生する。(悪の連鎖が進む)
 ・リーダーとしてPM理論を理解し、自己の行動を調整することが必要。
   Performance:目標達成機能 
Maintenance:集団維持機能

 ・アメとムチはやはり効果的。
  ただしムチはやりすぎるとムシとなり、無気力を生む。
 ・マインドコントロールは自分で意思決定することで強くなる。
  連続強化⇒間欠強化へのシフトで、随伴性の認知に意外性を加え、
  人の心を依存させることができる。
 ・人のやる気を上げるには、
   内発的モチベーション > 外発的モチベーション
   あと即時フィードバックが効果的

 ・ひらめきとはすでにあるもの同士がつながること。
 ・理解力の高い人材になるにはアナロジーで考える。

など。

具体的に利用できる内容も多く、非常に学び多い読書であった。


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■書籍データ
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フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる心理学フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる心理学
植木 理恵

日本実業出版社 2010-02-26
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2010年9月6日月曜日

検察が危ない

郷原氏の講演を聞くにあたり読んだ本。

以前に読んだ「法令順守」が日本を滅ぼすの記憶とあわせると、
より深く氏の主張と問題提起が理解できた。

正義の象徴として認識されている検察(特に特捜)の実態を
実例やその考え・行動に至る背景をふくめて説明されることで
リアリティをもって現状が理解できる。

強大な権力がメディアと結び付くことにより、ここま思考操作がなされ
我々に正しい判断ができなくなることに、今更ながら恐怖を覚える。
かくゆう私も小沢事件に関しては、当初憤慨した一人であり、
ゆがめられた事実を真に受けた一人であるから。

あらためてこのような事実認識をもつことで、
これからの時代は情報収集力ではなく、情報解釈力の時代だと痛感する。
何が正しく何があやまりなので、自分で判断できる思考と知識をもち
自己武装することを今後も続けていきたい。

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■書籍データ
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検察が危ない (ベスト新書)検察が危ない (ベスト新書)
郷原 信郎

ベストセラーズ 2010-04-09
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