2011年1月27日木曜日

あのブランドばかり、なぜ選んでしまうのか

購買行動を分析し、人の行動の「なぜ」に切り込んで
わかりやすく整理された名著。
ここで提示されたフレームワークはわかりやすい。

基本法則として提示された

1.便益ポータル
 消費者は便益に優れたブランドを買い求める。

2.規範ポータル
 消費者は規範を守るのに役立つブランドを買い求める。

3.認識ポータル
 消費者は頭の中で最適と認識したブランドを買い求める。

4.アイデンティティポータル
 消費者は自分を表現できるブランドを買い求める

5.感情ポータル
 消費者は愛するブランドを買い求める

この5つの基本法則は納得感が高く、それぞれを活用するすべとあわせ
非常にわかりやすい。

STPを考える上で、この5つも加味して考えることにより
商品開発を伴わない売上改善も実現出来ることをふまえると
これからのビジネスにおいて押さえておくべき基本でもある。

ただ難しいのは実践の仕方。それぞれは功罪のある方法であり、
見誤るとむしろ悪影響がでる。
加えて過去の成功否定や、ターゲット外からの批判などにさらされる
点など、不退転の決意で実施する意志も必要なため、
知識+信念が試される手法でもあると感じている。
そういった意味で、そもそもその商品(やサービス)が
世の中に提示している絶対価値がなんなのか、あらためて自問する
必要を覚えた。



-------------
■書籍データ
-------------
あのブランドばかり、なぜ選んでしまうのか――購買心理のエッセンスあのブランドばかり、なぜ選んでしまうのか――購買心理のエッセンス
アンドレアス・ブーフフォルツ ボルフラム・ホルデマン 松野 隆一

東洋経済新報社 2002-09-27
売り上げランキング : 128773

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

2011年1月20日木曜日

人を動かす技術

コミュニケーションとは人を気持ちよく動かすための手段。

自分が講師をする上で意識している点であり、
このことをストレートにタイトルにした書籍であったので、
購入して読んでみた。

正直新しい気づきはなく、また内容がこれまでに読破した本の
要約程度と薄く、正直残念な書籍であった。

筆者の主張には納得できるものの、その根拠が薄く、
納得感にかける。
相手のことをどれだけ理解し、そこにあわせたコミュニケーションプランを
どのように描くかが主論だと感じたが、それは当たり前で
いかにそれを実現するかのHowをもっと加えてほしかった。

とはいえ、入門書としては利用できそうではある。


--------------
■書籍データ
--------------
東大の先生がハーバードで実践した人を動かす技術東大の先生がハーバードで実践した人を動かす技術
西内啓

祥伝社 2010-10-26
売り上げランキング : 301047

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

2011年1月12日水曜日

ブランド・エクイティ戦略

ブランドの構築は1日にしてならず。
またその凋落は一瞬である。

この本を通じて強く感じたのは上記のこと。

また当たり前だがブランド構築は人間の認知形成の営みであり、
このために人間理解が要諦だということもあらためての学び。
そして長期にわたる一貫性をもった取り組みのみが、
人々の心(頭ではなく)にブランドを刻むことになることを
痛感させられた。

個人的にこの本は具体事例も含めてわかりやすく書かれているものの
情報羅列の構成のため、頭に残りづらいと感じられたのが残念。

------------
■書籍データ
------------
ブランド・エクイティ戦略―競争優位をつくりだす名前、シンボル、スローガンブランド・エクイティ戦略―競争優位をつくりだす名前、シンボル、スローガン
デービッド・A. アーカー David A. Aaker

ダイヤモンド社 1994-01
売り上げランキング : 17099

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

2011年1月5日水曜日

ヒットの神様―伝説のマーケッターに学ぶ、不況に勝つ知恵

今年最初の読書はこの本から。

マーケティング黎明期に思考錯誤しながら
STPと具体的なプロモーション戦略の立案を考え抜き
実現させている事例の多くに触れることで、
あらためてビジネスに正解はなく考えぬき・思考錯誤する重要性と
こだわりを持ち続けることの必要性を強く感じた。

調査のためには嘘発見器すら利用する探究心。
商品の利用者のホンネを探り、それを商品に根付かせようとする強い思い。
「グループ・インタビュー」ではなく「グループ・ディスカッション」と
言葉の細部にまでこだわる姿勢。
あくまでも現場であり、利用者にしか答えがないと考え、
現場からの生声(データではなく声!)を重視しておられる点。
    などなど

伝説のマーケッターと言われる内田耀一さんからは
マーケティングの基本的な考え方と姿勢を教えられた気がする。

------------
■書籍データ
------------
ヒットの神様―伝説のマーケッターに学ぶ、不況に勝つ知恵ヒットの神様―伝説のマーケッターに学ぶ、不況に勝つ知恵
内田 耀一 コイケ ジュンコ

幻冬舎 2009-06
売り上げランキング : 143969

Amazonで詳しく見る
by G-Tools