2010年7月24日土曜日

心の不思議を解き明かす

心理学に関する関心が高まり、何気なく図書館で手にした書籍。
比較的分かりやすい内容だったのだが、なんとこの本が3巻目と、
その前の2冊を読まずして、読んだために消化不良になってしまった。

ただ神経症と分裂症に関しては、症状・その原因・対処方法と
一連の流れを通じて理解することができ、頭の整理ができたことと
とりわけ原因分析の事例から、発生理由が理解できたことは
個人的には学びが大きい。

ただ最後の章に関しては、著者の主張は理解するものの、
あえてこの書籍にまとめるべき内容であったかという点で
疑問が残る。正直私にとっては全くの無駄であった。

引き続き今少し平易な内容の書籍も含め、心理学に関しては
いろいろな知識を習得し続けることを、あらためて思う。


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■書籍データ
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心の不思議を解き明かす―ユング心理学入門〈3〉 (PHP新書)心の不思議を解き明かす―ユング心理学入門〈3〉 (PHP新書)
林 道義

PHP研究所 2001-06
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2010年7月19日月曜日

予想どおりに不合理

行動経済学そのものへの興味を大きく膨らんだ読書。
自分でこれまで行ってきた意思決定や判断の不思議を
見事なぐらいひも解いてくれた。(まさにWao!)

多くの点が学び(というより理解の解像度が上がった感じ)であり、
備忘も兼ねてとくにWaoが大きかった項目を列挙しておく。

◎相対性の真相
  特に金額を判断するときにはなにかと相対化する傾向が強い。
  人はもてば持つほど、所有物と相対化してより良いものがいっそう欲しくなる。
  持たないこと、比較しないことが唯一の解決策

◎需要と供給の誤謬
  需要を作るときに設定した価格に人はアンカリングされる。
  それがたとえ恣意的な価格であっても一度認識されると、一貫性が働き
  未来の価格まで決定づける。

◎セロコストのコスト
  無料は値下げとは比較にならないほど大きな力をもつ。
  交換や値下げにより得られる価格差も、無料には勝てない。

◎社会規範のコスト
  社会規範と市場規範の世界においてコストの意味合いは全く異なる。混同しない!!
  ことによる社会規範下(奉仕や無料)のほうが、市場規範下で報酬を支払うより
  高い結果を導くことすらある。
  (個人的には共有経済と商業経済、そしてハイブリッド経済といった
   レッシングの話と併せて理解すると、より納得感が高まる。)

◎高価な所有意識
  人は持っているものを過大評価する。
  また何かを所有する前にも所有意識をもってしまうと同様の効果が発生する。
  (このために人はオークションで過大なお金を支払うことになる)

◎扉をあけておく
  選択の自由があると目的を見失うことがある。

◎予想の効果
  先入観や予備知識をもってしまうことで、結果は誘導される。
  このため人はブランドに左右されることになる。
  中立的な第3者の声を聞き、冷静に判断する必要がある。

◎価格の力
  プラセボ効果は価格と相関する。
  高いものは良いもの・効果性があるものとの認識を抱き、
  実際にその通りの結果を導くことがある。


パワープレイとあわせて身につけることで、
具体的な効果も見出せそうな知識がまとめられている。
時に読み返したい本。  

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■書籍データ
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予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
ダン アリエリー Dan Ariely 熊谷 淳子

早川書房 2008-11-21
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2010年7月15日木曜日

アマゾン・ドット・コム

なぜアマゾンは「書籍」を商品として選択したのか?

なぜ赤字続きの経営状態でありながら、事業拡大を続けられたのか。
そのときベゾスはどんな指標を見て、経営判断をしていたのか?

インターネット黎明期のECサイト運営にあたって、どんな点に注意を払い
何にこだわったのか?

など、e-Businessを行う上での肝をアマゾンの成功要因から探る上で
上記の質問の答えを求めてこの書籍を読んでいった。

その意味ではそれぞれの質問の解がこの書籍には記載されており、
非常に多くの学びがあった。

それにしても事業計画の時点で成長のシナリオをここまで考えており、
何がネットビジネスにおける差異化のポイント化を把握できていた
ベソスの先見の明と深い洞察力には驚かされるばかりであった。

今後のアマゾンの展開も、ますます気になる。

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■書籍データ
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アマゾン・ドット・コムアマゾン・ドット・コム
ロバート・スペクター 長谷川 真実

日経BP社 2000-07
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2010年7月9日金曜日

住宅ローンは、いま借り換え・繰り上げ返済しなさい!

古い本だと認識せずにブックオフで購入してしまった書籍。
内容も基本的な話ばかりで、学びは正直なかった。

しいて言えば1999年時点の金利と現在の金利に差がすくなく
この10年の日本の成長が止まっている事実を、あらためて理解できたこと。

あらためてどこまで日本経済の成長が難しいのか、
それをもとに固定と変動比率を自分なりに考え、決断するしかない。

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■書籍データ
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住宅ローンは、いま借り換え・繰り上げ返済しなさい!―住宅ローンで1000万円得する方法住宅ローンは、いま借り換え・繰り上げ返済しなさい!―住宅ローンで1000万円得する方法
浅井 秀一

ダイヤモンド社 1999-11
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2010年7月7日水曜日

REMIX ハイブリッド経済で栄える文化と商業のあり方

著作権に関する考え方を「RO」と「RW」文化と表現し、
非常に分かりやすくまとめつつ、今後はこれらの融合した文化に
移行するとの主張に理解はするものの、かなり偏った主張に違和感も覚える。

ただ、商業経済と共有経済の共存(ハイブリッド経済)については
ネット時代においてはこれまで以上に範囲と規模を広げて展開されることは
FREE経済やオープンソース開発が、ますます加速度的に広がる現在の状況からも
非常に高い納得感がある。

個人的に考えが整理され、理解しやすかった表現として、
インターネットの成功を支える3つの鍵がある。
これは既知の内容であったが、つなげて理解することと、
この言語表現により、より詳細な概念が頭に刷り込めた気がしている。

1.ロングテール
   ネット上では取引費用は極限まで低下し、さらには在庫管理コストも
   極小化できる。一方で購買者側はこれらの増加した商品情報に対しても
   検索等を通じて適宜対応することができ、混乱もなく商品選択は可能である。
   このような状況下ではロングテール部分からの売上が軽視できない量になる。

2.リトルブラザー
   ロングテールにより極大化した商品数に対して、顧客の購買情報の収集と
   この活用を通じた顧客と商品のマッチング機能が高度化することにより
   さらなる購買へと導くことができる。

3.レゴ化イノベーション
   インターネット上で提供されるサービスやシステムはその機能自体が
   モジュール化(レゴ化)されこれらのモジュールを組み合わせることで、
   より簡単に高度な仕組みを作り上げることができる。

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■書籍データ
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REMIX ハイブリッド経済で栄える文化と商業のあり方REMIX ハイブリッド経済で栄える文化と商業のあり方
ローレンス・レッシグ 山形 浩生

翔泳社 2010-02-27
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2010年7月3日土曜日

問題解決プロフェッショナル「思考と技術」

問題解決を実務で行えるようにするための基本的な内容がまとめられた書籍。
個人的には比較的平易な内容で順序立てて整理されているので、
入門書として比較的に良い本だと感じている。

まずは考える基本スタンスとして
・ゼロベース思考
・仮説思考
の2点から始め、思考の隔たりや仮説-検証の重要性を理解させ、
その上で重要なツールである「MECE」「ロジックツリー」の
使い方を説いている。

その後、これらを複合的に活用して問題を分析する手法として
ソリューションシステムとして実際の利用具体例とあわせて
解説しているので、比較的これらの経験や知識がない人でも
理解しやすい仕立てになっている。

ただ実際に自分が使用できるようになるかと言えば、おそらく難しい。
ここは地道なトレーニング(思考投入量の愚直な増加)を通じて、
これらのプロセスをしっかり回せるようになることと、
各プロセスにおける徹底度を高める努力が必要。

多くの方は思考の深堀が足りずに、表面的な問題を解決する傾向が強いと
自分の講師経験からは感じており、ここが問題解決力を高める上での
難所と思う。

雑感だが、思考の粘りを生むようなトレーニング方法を、
今後個人的には考えてみたい。


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■書籍データ
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問題解決プロフェッショナル「思考と技術」問題解決プロフェッショナル「思考と技術」
齋藤 嘉則 グロービス

ダイヤモンド社 1997-01-01
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