行動経済学そのものへの興味を大きく膨らんだ読書。
自分でこれまで行ってきた意思決定や判断の不思議を
見事なぐらいひも解いてくれた。(まさにWao!)
多くの点が学び(というより理解の解像度が上がった感じ)であり、
備忘も兼ねてとくにWaoが大きかった項目を列挙しておく。
◎相対性の真相
特に金額を判断するときにはなにかと相対化する傾向が強い。
人はもてば持つほど、所有物と相対化してより良いものがいっそう欲しくなる。
持たないこと、比較しないことが唯一の解決策
◎需要と供給の誤謬
需要を作るときに設定した価格に人はアンカリングされる。
それがたとえ恣意的な価格であっても一度認識されると、一貫性が働き
未来の価格まで決定づける。
◎セロコストのコスト
無料は値下げとは比較にならないほど大きな力をもつ。
交換や値下げにより得られる価格差も、無料には勝てない。
◎社会規範のコスト
社会規範と市場規範の世界においてコストの意味合いは全く異なる。混同しない!!
ことによる社会規範下(奉仕や無料)のほうが、市場規範下で報酬を支払うより
高い結果を導くことすらある。
(個人的には共有経済と商業経済、そしてハイブリッド経済といった
レッシングの話と併せて理解すると、より納得感が高まる。)
◎高価な所有意識
人は持っているものを過大評価する。
また何かを所有する前にも所有意識をもってしまうと同様の効果が発生する。
(このために人はオークションで過大なお金を支払うことになる)
◎扉をあけておく
選択の自由があると目的を見失うことがある。
◎予想の効果
先入観や予備知識をもってしまうことで、結果は誘導される。
このため人はブランドに左右されることになる。
中立的な第3者の声を聞き、冷静に判断する必要がある。
◎価格の力
プラセボ効果は価格と相関する。
高いものは良いもの・効果性があるものとの認識を抱き、
実際にその通りの結果を導くことがある。
パワープレイとあわせて身につけることで、
具体的な効果も見出せそうな知識がまとめられている。
時に読み返したい本。
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■書籍データ
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