2010年5月5日水曜日

道元「禅」の言葉

禅の入門書として、そして講師を行う際の言葉のネタを集める意図で購入した書籍。
その意味で前者としての期待は裏切られたものの、心に響くメッセージに触れることができ
個人的には満足のいく書籍であった。

この書籍の興味深い点は道元の言葉ではなく、筆者の解釈を中心に解説がなされている点。
従い道元というよりは筆者である堺野氏の言葉が100語紹介されているといった体裁である。
この仕立ては人により賛否が分かれるところだが、私にとっては言葉は感じるものではなく
理解するためのツールとの前提があることから、平易で分かりやすい現代語として表現された
筆者の解釈とあわせて、道元の言葉を読むことは素直に楽しく、学び多い読書であった。

ただ一読しただけでは、その言葉の意を正しく理解できるものではなく、
何度も読み返し、自分化(自分の言葉で語る)しないと意味がないと感じている。
引き続き、時折読み返し、自分なりの解釈を持ちえるまでこの本とは付き合ってみたい。

なお特に個人的に感銘を受けたのは

 学知にあらず

という言葉。教育者のはしくれとして学知を否定するものではないが、他者からの学び
だけで学習が終わることなく、自らができるようになることも意識した教育を目指したい
との思いとも合致する言葉であり、深く響く。
生知をも意識した教育を実現すべく、まずは自己鍛錬(知識収集と克己心の修練)を
愚直に続けよう。

言葉は言霊

多くを語らずとも心に響く言葉は確実にあり、それを自らも発せられる人物に
なることがどうやら終生の目標になりつつある。

-------------
■書籍データ
-------------
道元「禅」の言葉―ゆっくり読む、ゆっくり生きる (知的生きかた文庫)道元「禅」の言葉―ゆっくり読む、ゆっくり生きる (知的生きかた文庫)

三笠書房 2008-11-20
売り上げランキング : 79455
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

0 件のコメント:

コメントを投稿