その意味で前者としての期待は裏切られたものの、心に響くメッセージに触れることができ
個人的には満足のいく書籍であった。
この書籍の興味深い点は道元の言葉ではなく、筆者の解釈を中心に解説がなされている点。
従い道元というよりは筆者である堺野氏の言葉が100語紹介されているといった体裁である。
この仕立ては人により賛否が分かれるところだが、私にとっては言葉は感じるものではなく
理解するためのツールとの前提があることから、平易で分かりやすい現代語として表現された
筆者の解釈とあわせて、道元の言葉を読むことは素直に楽しく、学び多い読書であった。
ただ一読しただけでは、その言葉の意を正しく理解できるものではなく、
何度も読み返し、自分化(自分の言葉で語る)しないと意味がないと感じている。
引き続き、時折読み返し、自分なりの解釈を持ちえるまでこの本とは付き合ってみたい。
なお特に個人的に感銘を受けたのは
学知にあらず
という言葉。教育者のはしくれとして学知を否定するものではないが、他者からの学び
だけで学習が終わることなく、自らができるようになることも意識した教育を目指したい
との思いとも合致する言葉であり、深く響く。
生知をも意識した教育を実現すべく、まずは自己鍛錬(知識収集と克己心の修練)を
愚直に続けよう。
言葉は言霊
多くを語らずとも心に響く言葉は確実にあり、それを自らも発せられる人物に
なることがどうやら終生の目標になりつつある。
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■書籍データ
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道元「禅」の言葉―ゆっくり読む、ゆっくり生きる (知的生きかた文庫) 三笠書房 2008-11-20 売り上げランキング : 79455 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
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