2010年2月1日月曜日

アーキテクチャの生態系

これまでに提供されてきた主なWEBサービス一つ一つを生態系として捉え、生態系の「進化」としてサービス内容の変化を示すことにより、これまでWEB上でおきてきた事象を構造的に捉えることができ、学び多い書籍である。(個人的には「生態系」という考え方に対する納得感が高く、WEB上の出来事をそう捉えると、今後の進む方向性も見い出せるような気もしている。)

この生態系との捉え方により、これまでも日本独自のWEBサービスの存在に不思議さを感じていたことが、すんなり理解できた。当たり前といえばその通りだが、サービス利用者自体の文化・価値観の違いが、そのままWEBサービスに影響し、機能・使われ方の「違い」として表現されていることに、あらためて気付かされた。その意味で特殊な文化をもつ日本において、独自のサービスが広がることは当然の状況なのであろう。
(余談だが、日本は世界でも特殊な文明圏であるとの考えを私も支持している。サミュエル・P・ハンティントンによると現在の主要文明は以下の8文明とのこと
 中華文明
 ヒンドゥー文明
 イスラム文明
 東方正教会文明
 西欧文明
 ラテンアメリカ文明
 アフリカ文明
 日本文明
特筆すべきは、このなかで日本文明のみが日本という1国で成り立っていると考えられていること。携帯電話のガラパゴス化や、日本がデファクトを取ることが下手な理由などはこの文明圏の違いにあるとすると、理解しやすいように考えている。)

そう考えると今後もWEBサービスの分化・特殊化が進むのでは?とも感じられる。

ただこの書籍を読んでいて残念なのは、自分自身がWEB1.0世代の人間であるためか、最近のサービスや現象に関しては理解が進まなかったことである。現実感が全くないため、なんとなくわかったといった程度であり、今後、食わず嫌いとならないよう出来る限り触れていこう。

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■書籍のデータ
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アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたかアーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか

エヌティティ出版 2008-10-27
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