特に他の書籍ではGoogleの功のみが書かれることが多いだけに、「グーグル八分」「中立性の崩壊(政治に屈する現状」「監視社会」などの負の面が書かれており、この点での学び・納得感が大きい。
一方でそれを認識した上でもGoogleによる「功」は非常に大きいとあらたまめて考えが深まる。とくにロングテールビジネスモデルの具現化による大企業⇒中小企業・個人の活躍の場を提供したこと、顧客と生産者をダイレクトにつないだこと、そして購買者が最も重視する利用者の声を簡易にかつ大量に得る手段を購買者に提供したことなど、それらを「人」ではなく「システム」という中立性を担保する仕組みで実現しえたことは、これまでの経済活動を根幹から変える大きなインパクトであったと感じている。
加えて著者も書かれているように、これらがまるでカンブリア紀の生命の進化の過程のように、2004年を境に一気に行われたことも非常に興味深い。
ニューノーマルへの転換が確実に進むなか、その中心にいるGoogleという企業にはこれからも注目していきたい。そしてその理念が代わることなく企業が存続してくれることを切に願う。
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