またオープン・アーキテクチャ化した時代において、情報の発信と活用の主体が顧客側に大きく振れること。そのため顧客参加型のビジネスモデルの進化やプラットフォームビジネスの拡大をいくつかの先進企業の事例とあわせ上記の3つの観点を踏まえて解説されており、成功理由が非常によく理解できた。広げて解釈するならば、EMS(Electronics Manufacturing Service)を積極活用したファブレス企業の成功例なども広義の意味でオープン・アーキテクチャ化した結果であり、どこまで徹底するべきか、それによりどんなメリットが得られたのかなど、一気に理解が深まった。キーポイントはモジュール化と統合。
最後に今後の日本の目指すべき方向性を、筆者は日本の優位性のある「最適化」の思想とオープン・アーキテクチャ化の肝である「モジュール化」の融合であるとまとめている。これを読み個人的には、今こそ日本が飛躍するチャンスの時とワクワクしていた。これまではモジュール化が一気に進められ、日本の強みである高度な調整・改善の思考は生かせていなかったが、環境・エネルギーなど効率性を重視せざるを得ない時代が大きな追い風となり、最適化へと風向きが変わってきている現在が、日本復活のチャンスと捉えた。そんなことを10年前の書籍を読み感じることができるとは、素直に驚きである。
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■書籍データ
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