2010年2月19日金曜日

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

さすが「ロングテール」を世に提唱したクリス・アンダーソンの書籍。ビット世界で急速に広がる無料経済に対して、経済的観点・心理的観点の両面からの考察を加えたことで、もやもやしていたことがストンと腹落ちした感じがする。

■経済的観点
 日常生活に見られるフリーの分類は以下4種類
  ①直接的内部相互補助
    消費者の気を引いて、他のものも買ってみようと思わせる。
    最終的には対象者がなんらかの方法で金を払う
  ②三者間市場
    やり取りする二者間は無料。第三者の広告収入でまかなう
  ③フリーミアム
    無料と有料のバージョンを用意。
    基本製品は無料だが、プレミアム版を有料にする      
  ④非貨幣市場
    対価を期待しない贈与経済。シェアを促すものは、評判や関心

■心理的観点
  ①心理的取引コスト
    いくらであっても料金を請求することで、心理的障壁が生まれる。
    フリーにより試してみようとの決断が早まり、広く潜在的顧客に出会える。
  ②タダのものを大切にはしない
    フリーはモノやサービスを最大数の人々に届ける最良の方法だが、
    それを目標にしていないときには、逆効果になりかねない。
    お金を払う行為自体が、モノやサービスに価値があると認識させる。

これまでフリーを活用したマーケティングは多くの場面で活用されてきているが、(例:無料サンプル配布)ネットを活用することにより、流通コスト・製造コストなどあらゆるコストの圧縮が期待できるので、より高次なフリーが展開できる時代が今なのだと強く認識できた。

フリーを正しく理解し、活用することはこれからのマーケターの必須スキル(?)。
そう確信した。

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■書籍データ
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フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
小林弘人

日本放送出版協会 2009-11-21
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